帝国データバンクによると、有効求人倍率は2022年6月から上昇し続け、同年12月には新型コロナの影響が出始めた2020年3月以降で最高となる1.45倍に上昇、2023年1月も引き続き高水準で推移している。
また、帝国データバンクが実施した調査によると、2023年2月における人手不足企業の割合は6カ月連続で正社員で5割、非正社員で3割を上回る高水準で推移している。
帝国データバンク
中小企業の人材不足は業種によっては出口の見えない状況になっており、人材不足の影響での倒産件数も過去最多となるなどきびしい状況が続いています。
では、どうしたら中小企業の人材不足を解決できるのか?こちらのコラム記事では7つの対策とお客様からお聞きしたリアルな工夫の実例を挙げていきます。
目次
多くの中小企業が人材募集の際には求人広告やハローワークを利用して募集をかけています。
しかし、以前のように紙媒体ではなく、ほとんどがネット媒体になっていますので、情報は膨大になり条件が悪ければ求人情報を見てもらうことすらできなくなりました。
求職者も条件を指定して検索をかけ絞っていきますので、人気の職種やキーワードから外れるとアクセス数も激減してしまいます。
また、競合エリア内で競合企業の条件に比べ劣っているとクリックされにくくなり、待遇や職場環境など自社PRポイントを見てもらえずに飛ばされてしまいます。
特に給与・休日・勤務時間ははじめに求職者が気にするポイントです。嘘はいけませんが、もし相場よりも条件が悪いなら見直す必要があります。
労働条件を全て改善するのは難しいですが「給与は上げずに時短勤務を取り入れたことにより応募が増加し、優秀な人材確保につながった」など工夫して成功した例も多々あります。
求職者のニーズを理解し、可能な限り改善をしてみてはいかがでしょうか?
多くの中小企業が求人検索エンジンや求人サイトに掲載をして募集をしています。もちろん、広告を出せば採用できている中小企業も多いですが、業種や職種によっては全く採用できていない企業もあります。
また同じ業界内の同じ職種の募集でも、継続的に成功している企業と全く採用ができていない企業が存在します。条件にそこまで差がないのに、この違いが生まれるのはなぜでしょうか?
詳しくはこちらの記事にもまとめましたので、ご参考ください。
人材不足の原因を簡単に言えば「採用する人数より辞める人数の方が多い」です。
上記の記事にも書いてありますが、採用できない理由は段階ごとに様々ですが、一番最初にチェックすべきが広告(ハローワークなども含め)、つまり御社の求人情報の見直しです。
労働条件の見直しにもつながることですが、募集条件や広告内容が悪ければどの広告会社に出しても応募は来ませんし、どんなにお金をかけても無駄になるだけです。
現在は「採用活動=ネット集客」といっても過言ではありません。
例えば、Amazonや楽天に商品を出品したが、同じような商品で同じくらいのブランド力なら値段が高ければクリックされず商品の詳細ページを見てもらえません。
さらにいくらこの商品の広告を出しても購入までのハードが非常に高いので、広告を出すのは値段や商品ページの改善をしてからになるのと同じです。
業種・職種・エリアなどによって異なりますが、いずれにしろ適切な広告内容を作る必要があります。
求人広告からの応募がないとお困りの方はこちらをご利用ください。
初回は無料でお試しできます!
自社メディア(オウンドメディア)はホームページ・採用サイト・ブログ・SNSアカウント・YouTubeチャンネルなど企業側の情報発信ツールを指します。
細かく言えば、パンフレット・名刺・看板なども自社メディアになります。
大企業に比べネームバリューが低い中小企業の場合、求職者は広告やハローワークの求人情報を見て初めて知るケースがほとんどでしょう。
ですので、多くの求職者は応募する前に「どんな会社だろう?」と興味を持った会社のホームページを見たり、SNSをチェックしたりします。
その求職者のリサーチに対して、情報を提供する自社メディアがないと求職者は何を見ていいかがわからずに、せっかく興味を持った求職者を取りこぼしてしまい、結果的に採用率が下がり、人材不足に陥ります。
求人広告やハローワークなどの求人情報は「求職者との接点」ですが、自社メディアは「興味を持った求職者との接点」です。
当社のお客様でも正社員を募集した際に、採用できた経験者の方は採用サイトの動画を見て決めたということでした。しかもその方は求人広告やハローワークなどではなく、人材紹介からの採用です。
つまり、自社メディアを見直すことは広告だけでなく人材紹介や派遣社員としての受け入れにも効果があるということです。
せっかく採用した人材も長く働いてくれなければ人材不足は解決しません。そのためにも職場環境の見直しは常に必要と言えます。
転職を決意する理由のNo.1は「人間関係」と言いますので、入社直後のフォローはもちろん、常に人間関係による職場環境の悪化を防がなくてはなりません。
しかし、人間関係こそむずかしい問題です。
様々な性格や価値観を持った人の集まり、立場も年齢も性別も違いますので、全く問題が起きない職場の方がレアケースでしょう。
ある程度の問題には目をつぶる必要がありますが、仕組みを工夫するだけでも「不満」や「争い」は回避できます。
ある製造業の社長さんから聞いた話ですが、その会社は年代による価値観の違いで若い世代がやめてしまうケースが続きました。
そこで、若い世代チーム、ベテランチームに分けて業務をこなすようにしたら、若い世代が続くようになったそうです。
また、ある介護施設の施設長の事例ですが、あるとき非常にスタッフの定着率の悪い施設に配属になったそうです。
スタッフ同士の仲が悪く、上司への信用もないく、どんどん人が辞めてしまう。
そこで施設長は「ありがとう運動」という取り組みを始めました。
とにかく「ありがとうを言い合う」という取り組みをしたら、数ヶ月でやむを得ない事情で退職する人以外は、誰もやめなくなったそうです。
もちろん、それだけでうまく行ったわけではないでしょうが、非常に勉強になった話でした。
「自社では人を集めることができない」となると、次に頼るのは人材紹介または人材派遣が真っ先に思いつくと思います。
人材紹介はいわゆるマッチングサービスで、成功報酬型なので広告費用などの採用コストがかかりません。しかし、採用時に支払う金額が30%程度になるので、採用単価としては高額になります。
人材派遣は人材派遣会社が雇用したスタッフを派遣してくれるので、広告費用などの採用コストに加え、社会保険料などの労務管理費用もかかりません。
また直接雇用を前提とした紹介予定派遣などもあり、企業側の要望に応じた人材確保が可能です。
しかし、業種によっては派遣会社でも人を集めることができなくなっていたり、派遣費用が高額になっていたりもします。
他には、業務によってはフリーランスや業務委託の紹介・マッチングサービスやリファラル(紹介)プログラムがあります。
リファラル、いわゆる紹介は非常に効果もあり、条件の良し悪しが大きく響く求人広告での募集と異なり、ちょっとしたきっかけでコストをあまりかけずに採用につなげることが可能です。
もちろん、知り合いの紹介ということでデメリットもありますが、この採用難の時代ですので、見直すべき外部リソースではないでしょうか?
実際にあった例ですが、ある人(知り合いの知り合いくらいの人)が小さな食堂をオープンすることになり出前の関係で集まりにくい時間帯、しかも最低賃金程度の時給で募集をしたいとのことでした。
元求人広告営業の私からすれば、何十万円の広告費をかけても応募がないだろうという案件です。
しかし、知り合いに頼んでみたら、その知り合いがママ友LINEに投稿し、そのママ友の中で「私、やってもいいよ」という人が現れ、採用できたそうです。
やはり「知り合い」というリソースは今後活かすべきリソースだと改めて感じた実例です。
中小企業の中途採用は困難を極めており、外国人採用やシニア採用を可能な限り進めてきた業界は昔からあります。
しかし、中小企業の中には外国人・シニア・子育て層の活用がむずかしいと考える経営者の方も少なくありません。
最近は外国人の人材紹介サービスも活発的に営業をかけており、積極的に外国人の採用をしていく流れになり、一部では取り合いになるかもしれません。
シニア層と呼ばれる60歳以上の人材の確保も今後重要になってきます。
私は20年近く求人業界にいましたが、15年〜20年前の60歳と今の60歳は全く違う気がしています。感覚的な表現で申し訳ないのですが、以前の60歳より5~10歳くらい若いような気もします。
つまり、60歳以上でも一昔前の50代のようにバリバリ働ける人材が多くいらっしゃるということです。
他にも、子育てや介護などの事情で短時間なら働ける、在宅なら働ける、深夜帯なら働けるといった人材も多く眠っています。
こういった働く意欲はあるが家庭の事情で働けない層も意識してみると良いかもしれません。
当社のお客様でも外国人、特に東南アジアの方々を積極採用、そして積極登用している製造会社があります。
非常に真面目で、熱心に仕事に取り組み、仕事の飲み込みも早く、来日から数年で課長に登用もしています。そして、そこを軸として新しい外国人の紹介が生まれ、優秀な外国人人材を確保しています。
採用担当者の方はそういった外国人スタッフとLINEなどを通じて積極的にコミュニケーションをとっていて、お互いを信頼できている関係性が非常に印象的でした。
私もかれこれ20年以上前、料理人として勤務していた会社は店舗のアルバイトの7割くらいは外国人で、よくお酒を飲んだり、故郷の料理を作ってもらったりと楽しく働いていた思い出があります。
これまで上げた項目全てが採用活動の見直しと言えますが、他にも様々な見直しポイントがあります。
今までは応募してきた求職者に連絡をとり、日程を調整して会社で面接という流れが多かったと思います。
しかし応募自体が激減している昨今、応募を待つというのは人材不足に悩む中小企業においてはデメリットにしかなりません。
応募前の問い合わせを増やす仕組みやオンラインの積極活用、自社メディアからの積極的な情報発信は不可欠と言えます。
採用活動の一環として会社のイメージを向上させるブランディングも必要になります。
「ブランディング?何をブランドにするんだよ?」と思うかもしれませんが、ホームページ・SNS・看板・ロゴ・会社の外観・スタッフ・経営者…など様々な見直しポイントがあります。
YouTubeやX(旧Twitter)を見てると感じますが、一昔前の「ブランディング」という言葉から得られるイメージと今の「ブランディング」は全く異なる気がします。ぜひ、社内のリソースを見直して、ブランディングを心がけてはいかがでしょうか?
人材不足が深刻な上、ネット上には膨大な求人情報が存在し、まさにレッドオーシャン状態です。
そこだけで勝負をするのはかなり大変ですので、他のプロモーションも同時に行ってはいかがでしょうか?
当社では「採用活動はネット集客と同じでマーケティングが必要」と思い、様々な採用サポートをさせていただいておりますが、昔ながらの地道な方法も同時に行っています。
例えば、ターゲットがいそうな場所でのティッシュ配りなども昔ながらのプロモーションもありかもしれません。とにかく人に直接声をかける。
こういったリアルな活動も取り入れることで、採用につながったり、広告効果をアップさせることもできます。
元営業マンの私も経験しましたが、ダイレクトメールを送った後に、電話や飛び込みで直接紹介すると、アポイントが取れたり契約になる確率が数倍になります。
ぜひ、ネット×リアルの組み合わせの採用活動も考えてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
私もコラム記事を書きながら気づいたことがあります。
「採用活動も営業も集客も、まずは数と質、ネットとリアルの両方が必要である」と。
この改めての気づきを大切に、今後もお客様の採用サポートを行っていきます。
最後に、採用でお悩みの中小企業の担当者様へ。
当社では、各段階での採用サポートを行っております。
こういったサポートをさせていただきます。
初回無料ですので、お気軽にご利用ください!もちろんオンラインでも対応可能です。